コラム
2020.10.01
クリニック・医院開業に失敗する人の特徴|開業成功のためにやるべきこと
クリニックを開業するからには、誰しも成功したいと考えることでしょう。とはいえ、クリニック開業を成功するために、どのようなことをするべきなのか、何が必要なのかわからないという悩みを抱えている方も少なくありません。
そこで今回は、クリニック開業に失敗する人の特徴や、成功するためにやるべきことをご紹介します。加えて、クリニック開業の手順や必要資金などについても詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
クリニック開業に失敗する人の特徴
クリニック開業に失敗する原因として考えられるのは、以下の5つです。
・コンセプトが定まらない
・知識や人脈を活用できていない
・リスクへの対策が不十分
・スタッフとの接し方や教育に問題がある
・集患力不足
これらの失敗する原因からもわかるように、クリニック開業に失敗する人の特徴は幅広い知識がない、経験がないことです。以下、それぞれについて詳しく説明します。
コンセプトが定まらない
クリニックを開業する際にまず決めなければならないのが「コンセプト」です。その後、開業地を選定したり、物件を探したりと具体的な開業準備を進めていきます。
このコンセプトがぶれてしまうと、顧客ターゲットにぶれが生じたり、問題が発生した場合スムーズに解決できなかったりしかねません。また、患者さんから悪い評価を受けることにもつながってしまうのです。
どの業界にも共通しますが、継続的に好業績を維持しているところはコンセプトがしっかりしていてぶれないという特徴があります。クリニック開業を成功させるためには、ぶれないコンセプト決めが大切です。
具体的には以下のような点に留意してコンセプトを決めていきます。
・何のためにクリニックを開業するのか
・開業によってどのような医療を実現させたいのか
・地域の健康を支える公共の機関として、どう地域社会と関わり貢献していくのか
クリニック経営は院長ひとりの努力で成し遂げられるものではないため、明確なコンセプトを決め、全てのスタッフに共有することがクリニック経営において非常に重要です。
知識や人脈を活用できていない
開業医はクリニックの運営者であり、経営に関する責任を追う立場でもあります。しかし、医療に関する知識は豊富だけれど経営に関する知識はあまりない、という医師の方もいます。経営知識が少ないと、クリニックの運営に行き詰まることになりかねないので注意が必要です。
また、クリニックを経営する上では、地域医療を促進する行政関係者・ケアマネージャー・介護し・高齢者住宅の経営者など専門職に携わる人だけではなく利用者やその家族など、多くの地域の方と関わることになります。こうした方たちと積極的にコミュニケーションが取れないと人脈を作ることができず、地域医療に参加することも難しいでしょう。
高度な医療スキルは最低限必要ですが、継続的に経営を行うためには経営知識や人脈を上手く活用することが大切です。クリニック開業前に経営の知識を身につけ、これまでの自分の人脈を一度整理してみると良いでしょう。
リスクへの対策が不十分
クリニック開業に失敗する原因として、リスクへの対策が不十分だということが考えられます。
売上が低下した場合に備えて事前にリスク対策しておかないと、そのまま売上が低下し続けてしまい経営困難に陥ることになりかねません。また、環境の変化によって体調を崩してしまったり、家族との時間が減ってしまったりする可能性もあります。クリニックを開業する前にどのようなリスクが考えられるかを把握し、しっかり対策を練っておきましょう。
クリニック開業に関するリスクの具体例は以下の通りです。
・本人関連:不慮の事故や病気によって閉業するリスクがある
・金銭面:経営者として資金負担が生じることや、必ず収入アップが見込めるわけではない
・従業員関連:労務問題で従業員との間でトラブルが生じる
・経営体制:知人との共同経営やスポンサーがいての開業の場合、診療の方向性やお金にまつわるいざこざが起きる場合がある
・災害:火災・自然災害・盗難など
スタッフとの接し方や教育に問題がある
スタッフとの接し方や教育に問題がある場合も、クリニック開業に失敗する原因になり得ます。
・スタッフの教育制度が確立していなかったため、患者さんに迷惑をかけてしまった
・診療・クリニック経営の忙しさからスタッフとの面談など、コミュニケーションをなかなか取れずに早期退職につながってしまった
スタッフの教育の関するマニュアルや業務マニュアルなど、項目別にマニュアルを作成しておくと良いでしょう。さらに、定期的にマナー講習を受ける機会を設けるなど、さまざまな対策を考えておくこともクリニック開業成功のためには重要です。
集患力不足
集患力不足も、クリニック開業に失敗する原因です。
・看板・バスの座席広告を出したが費用に見合った効果が得られない
・自身で医院のWebサイトを作成したところSEO対策ができていなかったため、思うような集患が見込めなかった
・Webサイトに必要最低限の情報しか掲載していなかったため、新規の患者さんが増えなかった
宣伝広告はただ出せばいいというわけではありません。新規の患者さんが安心して来院できるように、Webサイトにスタッフの顔写真やメッセージを掲載したり、これまでの症例・治療について紹介したりするなど、工夫次第で集患力が高まります。集患につなげるためには、患者さんの立場に立った宣伝広告を考えることが重要です。
クリニック開業の手順
クリニックを開業する手順は、以下の通りです。
1.クリニック構想
2.開業地選定
3.物件探し
4.資金調達
5.内装・外装準備
6.スタッフ募集
7.宣伝広告
クリニック開業に必要な資金
ここでは、クリニック開業に必要な資金の相場を紹介します。
上記の表からもわかるように、テナント開業で5,000万円程度、戸建て開業では最低1億円程度の資金が必要です。具体的な内訳は以下のようになっています。
・敷金・礼金・仲介手数料(テナント開業の場合)
・家賃(テナント開業の場合)
・土地・建物購入費用(戸建て開業の場合)
・内装工事費用
・電子カルテ
・空調
・照明
ほかにも診療科ごとに必要な機器・設備を揃える必要があります。そのため、さらに資金がかかるケースもありますので、あくまで目安として考えてください。
クリニック開業を成功させるには
これまで、クリニック開業に失敗する人の特徴、失敗する原因を説明してきました。
・コンセプトが定まらない
・知識や人脈を活用できていない
・リスクへの対策が不十分
・スタッフとの接し方や教育に問題がある
・集患力不足
クリニック開業を成功させるためには資金や物質的な準備だけではなく、経営も含めた幅広い知識が必要です。つまり、プロフェッショナルな医療スキルがあり、経営に関する知識や経験があれば成功すると言えるでしょう。クリニック開業を成功させるためには、リスク対策やマニュアル作成、ぶれないコンセプトの決定など、しっかりと事前準備をしておきましょう。
クリニック開業支援を活用しよう
自分ひとりでクリニック開業に関する全ての幅広い知識を得ることは難しいことです。もちろん、医師には優秀な方が多いですが、開業準備となると抜けや漏れが発生してくる可能性があります。
そこでおすすめなのが「クリニック開業支援」の利用です。クリニック開業支援とは、コンサルタントが持っている豊富なキャリア支援の経験・業界トレンドを駆使して開業を支援するサービスであり、相談や開業までに限らず、開業後まで一貫したサポートを受けることができます。
クリニック開業支援サービスに相談できる主な内容としては以下のようなものが挙げられます。
・基本的なプランやコンセプトについての提案やアドバイス
・希望に合った物件探しや診療圏調査
・希望に合った医療機器を各種業者へ相見積もり
・資金調達
・広報活動
・スタッフ採用
・行政への相談や各種手続き
・法人化手続き
クリニック開業を成功させる近道はプロを頼ることです。可能な限り無駄を省き、クリニック開業を成功させるために、クリニック開業支援を活用していきましょう。
まとめ
今回は、クリニック開業に失敗する人の特徴や原因について解説しました。クリニックは開業して終わりではなく、経営を成功に導かなければなりませんが、それは容易なことではありません。開業の成功を後押しする「クリニック開業支援」サービスを活用するなど、スムーズかつ正確に開業が成功できる手段を選び、開業準備を進めましょう。