コラム

2021.10.06

【診療科目別】開業医の生涯年収|都市部と地方の比較や勤務医との差

目次

開業したら生涯年収はどうなるのか、勤務医とどう変わるのか気になる人も多いでしょう。この記事では開業医の生涯年収について、診療科目ごとにご紹介します。また、開業する平均年齢や、引退時期、都市部と地方の生涯年収の差についてもご紹介しますのでチェックしておきましょう。

開業医の生涯年収

厚生労働省が公表している「第22回医療経済実態調査」(2018年)をもとに、70歳まで働いた場合の開業医の生涯年収を計算すると8億2千万円となります。

また、院長の平均年収は2,800万円で、30年で計算すれば、こちらも約8億円となります。新規開業の平均年齢は41.3歳ですが、引退については定年がないため、体力や引継ぎなどにもよって異なるでしょう。ちなみに開業医の死亡年齢の平均は70.8歳とされています。

内科

開業科目が内科であった場合の平均年収は2,500万円で、30年間働いた場合には7億5,000万円になります。また、開業は40歳前後、引退は65歳前後が平均的でしょう。

一般的な公務員の定年が60歳となっていることから、開業医はそれよりも長く働けると考えられますが、なかには70歳や80歳を超えて医師の仕事を続けている開業医もいます。内科は外科に比べ、慢性的な病気が主な診療内容となることから、体への負担が少なく長く続ける人が多い傾向です。

小児科

小児科の開業医の平均年収は3,000万円で、30年間働いた場合には9億円になります。また、開業は40歳前後、引退は65歳前後が平均でしょう。一般的に小児科は年収が高めであると考えられています。

整形外科

整形外科の開業医の平均年収は2,500万円で、30年間働いた場合には7億5,000万円になります。また、開業は40歳前後、引退は65歳前後が平均的でしょう。

眼科

眼科の開業医の平均年収は3,200万円で、30年間働いた場合には9億6,000万円になります。また、開業は40歳前後、引退は65歳前後が平均でしょう。

眼科の開業医の平均年収は高額で、損益率から考えるとトップとされています。白内障治療の手術は簡単なものであれば20分程度で終わり、医師1人でできることも要因のひとつと言えるでしょう。さらに、保険点数は、長時間に及ぶ消化器系等の手術とあまり変わりません。

また、コンタクトレンズの購入の際に眼科医の処方箋を求められるので、これも眼科の開業医の大きな収入源となっています。

耳鼻科

耳鼻科の開業医の平均年収は3,000万円で、30年間働いた場合には9億円になります。また、開業は40歳前後、引退は65歳前後が平均的でしょう。耳鼻科の開業医の年収は高額の部類に入り、損益率から考えると、眼科に比べ2番目となっています。

専門性の高い医科となるため、他の科に比べ医師の数が少ないことも理由のひとつと言えるでしょう。

外科

外科の開業医は、専門分野によって平均年収が異なります。たとえば脳神経外科が専門であれば平均は2,000万円で、30年間働いた場合には6億円になります。また、開業は40歳前後、引退は65歳前後が平均的でしょう。

ただし、外科は手術をすることが多く、手術の第一線から身を引くことを考える年齢は40~50代とされています。その中でも、脳神経外科や心臓血管外科であればさらに若く、40代中盤で考え始める人が多いようです。それは、重症患者が多く手術の負担が大きいことが関係していると考えられます。一方、一般外科や泌尿器科であれば50代を超えると手術からは一線を退くことを考える人が多いようです。

都市部の開業医と地方開業医の生涯年収の差

開業医は都市部であるほど患者数も多い傾向にあるので、平均年収や生涯年収が高くなる傾向があります。たとえば、東京や大阪、神奈川、愛知、福岡などの都市部での開業医は高収入となりやすいです。一方、東北や北陸などでは1,000万円前後が年収となり、30年働いたとしても生涯年収は3億円にとどまることもあります。

一方、勤務医は地方の方が年収は高めです。一般的に都市部には大手企業、有名企業が集中し、雇用機会も多いことから給与が高くなりやすいですが、勤務医の場合は逆です。40~45歳の男性医師の場合、宮城県で1,868.4万円、沖縄県で1,487.6万円というデータがありますが、東京では1,040万円にとどまっています。

これは、医師不足が顕著な地方部は人材確保が難しいため、給与が高めに設定されていると考えられること、医師が少ないため、労働時間が長くなり所得が増えるということが要因と言えるでしょう。さらに、都市部は研修を終えたばかりの医師も大学を卒業し多く就職することで、平均年収が下げられているとも考えられます。

また地方は物価も安いことが多いため、年収を多くもらい、生活費が安く済めば手元に残るお金も増えるという考え方もできます。一概に、収入だけで考えるのではなく、物価なども加味して考えると良いでしょう。

開業医と勤務医の生涯年収の差

厚生労働省が公表している2018年平均年収をもとに開業医の生涯年収を計算すると、8億2千万円となる一方、勤務医となると5億4千万円にとどまります。

この結果から、開業医の方が勤務医よりも生涯年収が高くなることがわかります。ただし、開業するには医療技術のみならず、経営の知識も必要となり、クリニックで働くスタッフの管理はもちろん、資金運用や集客なども必要です。

開業の際には、設備を整えるために大きな額が必要となり、開業後も最新の医療機器を揃えたり、施設の老朽化のための準備金を蓄えておいたりする必要もあるでしょう。

このような診察以外の業務が発生するため、開業医は仕事量も多めになると考えられます。また病院運営に関わる精神的負担も考慮しておきましょう。 開業医・勤務医の生涯年収については、医師の資産形成専門サイト「医師資産形成.com」のこちらの記事で詳しく解説されています。
参照:医師(勤務医・開業医)の生涯年収の平均は?本当にもうかる仕事?

まとめ

開業医の生涯年収や、開業する年齢などについてご紹介しました。開業した方が生涯年収は高くなる傾向がありますが、病院を経営するための知識やスキルも必要になります。また、引退時期も開業医の方が長めですが、診療科目によっても異なるでしょう。開業医と勤務医の差を理解し、それぞれの特徴を把握した上で開業を検討することをおすすめします。開業の際の物件探しから、専門支援会社を探す際には、無料で使える医院開業バンクで探すことができますので一度試してみてはいかがでしょうか。

株式会社日本メディカルキャリア ライフ支援事業部

福松 洋祐

医師人生の集大成とも言える「クリニック開業」という機会に多く携わって参りました。今後開業を検討される先生方に少しでも多くの選択肢をお示しできるようご支援いたします。

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