医師の転職失敗例をパターン別に紹介|転職活動で気をつけるポイント | 医院開業バンク

コラム

2020.10.01

医師の転職失敗例をパターン別に紹介|転職活動で気をつけるポイント

医師の方の中には、これから転職活動を行おうとしている方もいるでしょう。今の職場に不満を抱いている、または満足していないなどの理由で転職を考える方は少なくありませんが、転職を成功させるためにはさまざまな注意が必要です。

今回は、医師の転職を成功させるコツについて、失敗した事例を参考に解説します。自分に合う求人がない場合は医院を開業するという選択肢もあるので、開業医のメリットやデメリットなどについても触れていきます。

医師の転職失敗例

医師の転職失敗事例として挙げられるのは、予想していたイメージとのギャップや年収の低下で失敗を感じるケースです。こうした失敗をしないためにも、よくある失敗事例から学んでおきましょう。 ここでは、以下の3つの失敗事例について解説します。

・給料が上がらない
・スキルアップができない
・想像以上に激務

給料が上がらない

転職した医師の中には、給料面に不満があったという方も少なくありませんが、思わぬ落とし穴があることを知っておきましょう。たとえば、面接時に伝えられた給与が手当込みの数字だったため、逆に実質給与が下がってしまったという失敗事例が挙げられます。

このようなことが起きないためにも転職活動を行う際は、基本給や手当の内訳、昇給など、給与面の条件について面接時にしっかり確認しましょう。

スキルアップができない

スキルアップを望んで転職する方も多いでしょう。しかし、しっかり確認しておかないと転職先で経験を積むことができずに結果的に転職失敗となってしまう場合があります。

たとえば、ある分野において症例実績を積みたいと思い、病院全体の症例で転職先を決めて実際に入社したが、上司の医師がひとりで対応しており、自分を含めた他の医師たちは雑用ばかりで症例に対する経験を積めないというケースもあるのです。

このような失敗をしないために、実際にオペを行っている医師のやり方や自分がどの程度関われるのか事前に確認しておきましょう。

想像以上に激務

転職の際に「年収だけ」で転職先を決めてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があります。それは、実際に転職してみたら労働時間が以前の職場より長時間になってしまい、自宅に帰れない日が続くなど、想像以上に激務だったというケースです。

転職の際には年収だけでなく労働条件や職場環境をしっかり確認しておきましょう。

転職活動で気をつけたいポイント

転職活動で失敗しないためのポイントは、以下の4つです。

・なぜ転職したいか考えをまとめる
・譲れないポイントを決める
・複数の求人を比較する
・転職希望先の条件や環境を確認する

それぞれについて詳しく説明していきます。

転職したい理由をまとめる

転職先を見つける前に、「なぜ転職したいのか」しっかり考えて明確にすることが大切です。なんとなく今の職場に不満があるから、という理由だけで転職してしまうと、転職してから後悔してしまうケースもあります。

・今の職場への不満を明確にする
・転職しようという考えに至る理由は何か考える

転職理由を明確にすることによって自分の求める条件が見えてきます。転職理由が明確でないと、次の職場でも不満を感じてしまい、再度転職したいと思うことになりかねません。そのため、自分がどんなことに不満を抱いているのか、どうして転職したいという考えに至ったのかしっかり自己分析しておきましょう。

譲れないポイントを決める

転職したい理由をまとめることによって、次の転職先に求める条件が見えてきます。たとえば以下のような条件が挙げられます。

・最低年収は〇〇万円
・当直の回数は〇〇回以下
・勤務時間に融通が利く

ただし、自分が希望する全ての条件にピッタリ合う求人を見つけることは難しいと言えます。そこで、これだけは譲れない、というポイントを決めると良いでしょう。譲れないポイントをできる限り満たすことで、自分に適した転職先が見つかります。

複数の求人を比較する

複数の求人を比較することも転職する際には重要なポイントです。厚生労働省が発表した令和2年5月分の一般職業紹介状況を見ると医師の有効求人倍率は3.55倍となっています。

この結果からわかるように、医師の有効求人倍率は比較的高いため、転職市場では有利と言えるでしょうただし、条件をしっかり確認しないと転職先が自分に合わないなど、転職失敗してしまうケースもあります。

自分に合う求人を見つけ、転職を成功させるためにも、複数の求人を比較して職場を見つけるようにしましょう。

転職希望先の条件や環境を確認する

転職先に求める条件や環境を決めることも大事なポイントです。医師が転職する際に注意すべき転職先のチェックポイントには以下の3つがあります。

・給与・待遇
・手当・ボーナス
・転職先の雰囲気

なかには提示されている年収が良くても実際は手当込みという場合や、求人に掲載されていた勤務時間より大幅にオーバーして過酷な労働環境という場合、また職場の雰囲気が悪いところもあるでしょう。

転職してから後悔することのないように、面接の際に聞いたり口コミサイトなどを参考にしたり、実際に見学して事前に確認しておくと、失敗を防げるでしょう。

開業するという選択肢も

自分の希望する条件に合った医院がない場合、独立して開業するという選択肢もあります。開業する場合、勤務医と比較すると以下のようなメリットがあります。

・休診日を自分の都合で設定可能
・プライベートの時間が取りやすい
・以前より学会に参加しやすくなる
・自分の裁量で仕事することが可能
・地域医療に貢献でき、さらに実感が湧く

一方、デメリットは以下の通りです。

・体調不良でも代診を頼めない
・訴訟が起こった場合、全ての責任が自分にかかる
・雇用主としての責任感が必要
・資金調達や資金繰りなど、経済観念が必要
・周囲の医療機関との関係づくりが必要

開業するために必要な資金は、テナント開業であれば5,000万円程度、戸建て開業であれば1億円程度かかります。資金を調達する主な方法は「親族・親戚・知人」「民間金融機関」「制度融資」「独立行政法人」「日本政策金融公庫」「リース会社」からの融資です。

もし自分に合う求人がない場合には、メリットとデメリットを把握したうえで自分の医院を開業することも検討してみましょう。

医師支援サービスに資産形成や開業の相談を

医院開業を検討している方の中には、「経営の知識がなく、開業方法がわからない」「何から始めればいいのかわからない」という方もいるでしょう。

そういった場合には「医院・クリニック開業支援」を利用するという方法があります。医院・クリニック開業支援とは、開業に関するあらゆることをサポートしてくれるサービスです。開業相談や資産形成方法などのサポートも受けられるので、開業を検討している方はぜひ活用してみてください。

まとめ

医師の転職を成功させるポイントは「なぜ転職したいか考えをまとめる」「譲れないポイントを決める」「複数の求人を比較する」「転職希望先の条件や環境を確認する」の4つです。今回紹介した失敗事例について理解を深め、自分の転職活動に活かしましょう。

もし自分に合う求人がない場合には、自分で医院を開業するというのもひとつの手段です。医師の転職において大切なのは、自己分析をしっかり行うことです。入念に自己分析を行い、自分にピッタリな職場や働き方を探していきましょう。

医院開業バンク編集部

編集部

医師の転職・採用支援に20年以上携わる医院開業バンク編集部が、開業に役立つ情報をお届けします。

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