コラム

2020.06.29

クリニックを居抜き物件で開業するメリット・デメリットと物件の選び方

目次

いざクリニックを開業しようとしても、資金の問題が大きく立ちはだかります。「どうにかして、初期投資を抑えられないか」と考える人も少なくないでしょう。膨大な初期投資が足かせとなって、結局開業を断念するというケースは非常に残念ですが、よくあります。しかし、居抜き物件で開業すれば、初期投資をかなり抑えることも可能です。開業医になりたいと考えている方は、居抜き物件での開業を検討してみてはいかがでしょうか。

クリニック開業で使用する物件の種類

クリニックを開業するためには、そのための物件を取得したり借りたりする必要があります。物件の種類としては、主に以下のようなものがあります。

■ 一戸建て:戸建ての場合、院内の導線を自由にカスタマイズできます。そのため、無駄のない効率的な配置を作ることができるでしょう。訪れるのに階段を使う必要がないのも魅力です。

■ テナント:テナント開業は、戸建てに比べて初期投資を抑えられます。一方、間取りは固定されているため、自由なカスタマイズはできません。

■ 承継:医院を承継する場合には、さらにコストを抑えることができます。ある程度準備ができている状態のため、いくつかの申請や届け出のみで、すぐに開業することも可能です。

上記のような物件のほかに、以前クリニックとして利用されていた居抜き物件を利用するという方法もあります。
特に、ドクターが引退したようなケースでは居抜き物件が発生しやすくなります。

クリニックを居抜き物件で開業するメリット

居抜き物件でのクリニック開業には、以下のようなメリットがあります。

■ 初期費用を抑えられる
■ 保健所などによる審査に通りやすく手続きが容易
■ 前クリニックの知名度や評判にあやかれる

それぞれ詳しく解説していきましょう。

・初期費用を抑えられる

居抜き物件での開業ならば、クリニック開業の最大の障壁と言ってもいい初期投資大幅に抑えることができます。すでに医療に必要な設備が整っているケースが多いためです。
医療設備には、電子カルテ、X線、内視鏡、院内家具、照明、カーテン、空調機器など様々ありますが、全てを一から調達しようとすると、何百万円単位でも足りないほど高額になります。その費用を抑えることができるというのは、居抜き物件の大きなメリットです。

・保健所などによる審査に通りやすく手続きが容易

クリニックを開業する場合には、保健所の職員による立ち入り検査が行われます。そして、その検査で不備がないと判断されれば、次のステップに進むことができるのです。
新規で開業する場合には、様々なヌケモレが発生し、不足を補う対応をしなければならないことも少なくありません。しかし、居抜き物件ならば、過去に一度審査を通過している実績があります。そのため、検査もスムーズにパスできる可能性が高くなります。よって、全体的な開業までの時間も短縮させることが可能です。

・前クリニックの知名度や評判にあやかれる

居抜き物件ならば、以前のクリニックが高評価だったり、知名度が高かったりした場合に、その恩恵を受けられるでしょう。以前の利用者も、再び訪れてくれる可能性が高いため、集患対策にそれほど困らなくなることも期待されます。

クリニックを居抜き物件で開業するデメリット

居抜き物件でのクリニック開業には、もちろんデメリットもあります。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

■ 前クリニックの印象が残る
■ 設備や内装の自由度が下がる
■ 設備の修理費が発生する可能性がある

それぞれ詳しく解説していきます。

・前クリニックの印象が残る

以前のクリニックの評判が高ければ、好影響が期待できますが、逆に評判が低かった場合には、そのままマイナスイメージが受け継がれてしまいます。すると、悪い印象を持たれたままの開業にならざるを得ません。その場合には新規での開業以上に、集患に困難が生じる可能性もあります。

・設備や内装の自由度が下がる

居抜き物件でのクリニック開業は、元からある物件を使用することになるため、ある程度医療設備の位置や種類が決まっています。そのため、内装も含めて自由度が下がるというデメリットもあります。
もちろん、自分なりにカスタマイズすることも可能ですが、その場合、居抜き物件の最大のメリットとも言える低コストの恩恵を受けられなくなるでしょう。

・設備の修理費が発生する可能性がある

居抜き物件の場合には、かなり築年数が古くなっていることもあります。また、長い期間放置されていると、医療設備に不備が生じていることもあるかもしれません。
そのような場合には、当然修理を施すことが必要です。場合によっては新しい医療機器を入れる必要も出てくるかもしれません。そうすると、結果的に初期費用が大きくなり、低コストでの開業という居抜き物件のメリットを享受できなくなる可能性もあります。

クリニック開業時の居抜き物件の選び方

居抜き物件でのクリニック開業には、メリットもデメリットもあります。そのメリットを最大限享受するためには、居抜き物件を選ぶ際に、以下のポイントに特に注意するようにしましょう。

■ 前のクリニックの評判が悪くないか調べる
■ 周辺環境や立地条件は問題ないか実際に確認する
■ 設備や医療機器をチェック

・前のクリニックの評判が悪くないか調べる

前のクリニックの評判は、メリットにもデメリットにも転じます。そのため、できるだけ評判が良かったクリニックが使用していた物件を選ぶことが大切です。
具体的には、インターネットで評判や口コミを調べたり、以前の経営状況や閉院・移転の理由を前院長に聞いたりするという方法があります。また、近くで経営しているクリニックで聞き込みをするのも1つの方法です。
仮に、経営状況がよくなかったのであれば、具体的にどんな原因があったのかも詳しく伺うようにしましょう。

・周辺環境や立地条件は問題ないか実際に確認する

クリニックに通う人には、必ず何かしらの悩みや不安があります。そのため、クリニックがストレスを感じにくい立地にあるか否かは、集患の面で非常に重要なポイントです。
具体的には、最寄り駅からの徒歩のアクセスの距離、分かりやすさに問題点はないか、また、周辺で騒音が発生する懸念はないかといったことをチェックしましょう。

・設備や医療機器をチェック

居抜き物件でクリニックを開業する場合には、必ず1回は自分の足で訪問しましょう。その上で、医療機器や設備について、自分の目や手で確認することが大切です。
医療機器がリース品である場合もあります。その際には、権利の継承についても事前に確認を取るようにしましょう。この点を怠ると、後で無用なトラブルが生じてしまう懸念もあります。

まとめ

居抜き物件でのクリニック開業には、初期費用を大きく抑えられるなど、様々なメリットがあります。しかし、既に用意されている設備や機器が古い場合には、修理費などの支出が上回り、結果的にコストが増大することもあるので、注意が必要です。居抜き物件でのクリニック開業を検討する際には、実際に自分で現地に出向き、メリットとデメリットを確認した上で、判断するようにしましょう。

医院開業バンク編集部

編集部

医師の転職・採用支援に20年以上携わる医院開業バンク編集部が、開業に役立つ情報をお届けします。

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